これは私の友人から聞いた話なんですが・・・
かれこれ5年前にでもなるだろうか。春になって就職し、それを期に一人暮らしを始めたばかりの友人。
そこそこ広く築浅であったが比較的安い家賃の物件を運よく見つけ、そこで何事もなく暮らしていた。
ある日、風呂上りにそろそろ寝ようかという時間に外で物音がしているのに気が付いた。
間隔をあけて何かが物を叩くような音。
どうやらベランダの方から音が聞こえるようだ。
あたりは昼間こそ人通りがあるものの夜にはパッタリと静まり返るような静かな街。
普段耳にしない物音は続く。
友人は恐る恐るカーテンの端を隙間程度開けて、闇の中を覗き込んだ。すると途端に音が鳴りやんだ。何かと思って目を凝らしてみるとそこには
すっげぇ太った丸っい野良猫が室外機の上で横になりながら驚いた顔でこっちを見ていた。
あとあと判明したのだが、地域猫らしい。