渋谷系概論序説その5
#ボカロ丼公式渋谷系コンピ(仮)参考資料集
こうした渋谷系だが、音楽的な特徴を強いてあげるなら、TOMOKIさんによる分析
https://vocalodon.net/@tomoki/103545321253136932
には主にギタポ系の楽曲の分析として一面の正しさを認めるものの、渋谷系全体としては、サウンド構築・アレンジ面により顕著な特徴があると自分は考えている。
それは、ピチカートファイブが自身のレーベル名に使用した「レディメイド」という言葉(元来はマルセル・デュシャンが提唱した現代芸術における概念を表す言葉)に表出される、過去の(音楽)作品の引用とその再構築によって現代の音楽を表現する、という考え方によるものだ。
これは、当時勃興しつつあったクラブ・DJカルチャーにおけるブレイクビーツによる楽曲構築の方法論を、一般的な意味での「サンプリング」はもちろん、アレンジそのものの『引用』をも含めた形でポップミュージックの形に落とし込むという試みであったとも言える。