【国語】エッセイ 会談
もう、20年くらい昔の話になる。
大阪芸大は古墳の上にあるということもあり、心霊スポットがわりとある。とあるトイレでは夏休み前に急死した学生が夏休み明けに発見されたとかなんとか。
で、下宿寮の皆で、夜中に芸大のキャンパスで缶蹴り(鬼ごっこの一種)をして遊んだことがあった。その帰りに心霊スポットを巡って寮に帰った。
寮に戻り、皆で風呂に入ろうとと云うことになったが、私は男同士の風呂は遠慮して部屋に帰った。すると、隣人の1回生が部屋を訪ねてきた。
「俺にのパンツ知らないですか?」
どうも、風呂に入っている間になくなったらしい。で、よくよく話を聞いてると、3人で風呂に入っていたはずなのに、常にもう1人分のスペースを空けてたと皆が云い始めた。
実は私も、確かに風呂場の前には草履が4人分あったと記憶していたのだ。
皆の結論は、私たちが楽しそうにしてたので、学生の霊がつてきたということになった。もちろん、私は信じていない。
数年前、ツイッターでその1回生とあの時の話をしたが、心霊話で私を騙そうとしている気配はなかった。勿論、それでも私は信じていない。