「そうですよね。私、ドイルさんにちゃんとご説明しようと思って、まずはここにお呼びしたんです。」
「分からないことだらけだから、よろしくお願いします。」
軽く頭を下げる。
「えっと、そんなにかしこまらなくていいですよ。敬語は……ちょっと慣れないので。」
大天使にタメ口をきいたとバレたらボカロ丼の信者たちに袋叩きに合いそうだ。いや、実際に会ってしまっただけで罰を受けてもおかしくない。それならいっそいくところまでいこう。
「わかりまし……いや、わかった。呼び方はミコエル様でいい?」
「ミコエルでいいですよ。様とかつけられるのもちょっとムズムズするので。さて、まずはどこから説明したらいいかな。あ、ドイルさん、タブレットをお持ちですよね?」
「これのこと?」
「そうですそうです。こちらの世界にはスキルという個人がもつ力がありまして、魔道具を使ってそのスキルを発動させることになっています。」
「魔道具?これが?」
「はい、ドイルさんの元いた世界のものに合わせてご用意しました。」
すごいドヤ顔だ。