「じゃあ、なんで俺を転生させたの!?」
これから俺は強敵とのバトルを控えてるんじゃないの!?
「それはなんとな……いえ、そんなことないです!今のなし!ドイルさんにはすごく大きな役目を担ってもらうことになります!」
なんとなくって言おうとしたろ、この天使。俺の表情を見て急に意見を変えてないか?
「一応、聞くけど、どんな役割?」
「えっと、それはほら、アレですよ。こう、困っている人を助けたり……とか。」
声が小さくなっていく。
嘘だ。間違いなく嘘だ。
「もしかして、誰でもいいかなって理由なく転生させてしまって、罪悪感でタブレットとか準備してない?」
ドキッ
「そ、そんなことないですよ!」
「レアスキル渡しといたら困らないだろうし、いいかな〜とか思ってない?」
ドキドキッ
「ち、ちがいま……。」
「ほんとに?」
ミコエルの方を見ながら詰め寄っていく。
「こ、こわいですよ、ドイルさん。」
「まさか天使様が嘘なんかつかないですよね?」
「うっ。」
「ね?」
「ううっ。」
「ねっ?」
「ごめんなさい。」
簡単に折れた。