しばらく薄暗い廊下を進むと石で作られたドアが目の前に立ち塞がった。
地下礼拝堂への入り口ということになるのだろうか。迷路をゴールから逆走した気分だ。
ギイィ……
ドアを開くと目の前に階段があった。
地下礼拝堂だから当然か。
階段の上には光が見えている。
「さて、いってみるか。」
子どものように妙にワクワクした気持ちで階段を上っていく。
階段を上るとひらけた場所に出た。
規則正しく並べられた木の椅子、アーチ型に作られた石造りの柱、装飾された燭台。絵に描いたような美しい教会だ。
ちょうど教会の聖堂の中央あたりに出てきたらしい。これだけ大きな聖堂に加えて地下にまで礼拝堂があるのか。
周りを見渡すと、目の前に先ほど出てきたところと同じような扉がある。ということは、地下にはまだ他の場所があるのだろう。
右には大きな石の扉。これは入口だろう。
手前には階段もある。
左を見ると、祭壇があり、その後ろには大きなステンドグラスがある。
元いた世界ならキリストが描かれているであろう位置に大きく羽根を広げ、胸の前で手を組んだ天使の姿が描かれていた。