another story (裏)
「分かりました。まきエルさん、ミコエル様への進言、ありがとうございます。ええ、雨乞いの歌は私の方で。それでは。」
通信が切れる。どうやらミコエルは雨乞いの儀を執り行うことを決めたらしい。
「うまくいった。これで私がミコエルに歌を作ったとなれば、私の名声はさらに上がる。そうだ、信徒の男共を使って、ミコエルと共に雨乞いを祈る歌にしてやりましょう。それがいいわ。」
すでに頭の中には楽譜ができつつある。
「でも、その歌を歌うのは私。ミコエルが祈り、私が歌う。そして、信徒たちは私の声に合わせて共に歌う。そう、すべての中心はこの私。吟遊詩人・こるん様の掌の上なのよ。」
この物語は誰も知らない。