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「クリスエス、またそんなことをやっているのか。」

いつの間にか別の男が立っている。

「KAI、ここに何をしに来た。」

この男はミコエル教徒ではないはずだ。
とすれば、ここには誰かが中に入れたとしか思えない。ここは、ミコエル教徒の中でも限られた者しか知らぬ、異端審問会のための場所なのだから。

「クリスエスさん、相変わらず異端審問をされているようですね。」

見れば分かるだろうに、この少し気取ったような言い方がこの男の話し方の特徴だ。

「私は"ゆかいあ"の使者ですから。それに、噂が確かならあなたのスキルも私には効果が薄いのでは?」

「ほう?いくら使者とはいえ、その物言いはいささか気に食わぬ。この"異端審問"、受けてみるか?」

クリスエスのことばと同時に先ほどまで燃えていた十字架が音を立てて崩れ落ちた。火あぶりにされた男の姿は原型をとどめていない。

クリスエスはKAIの方に向き直った。

まだ人の肉と脂の焦げ付く嫌な臭いが部屋の中に漂っている。

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