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ドサッ……

音が響いた。
兵士たちが音に反応して武器を構える。

ドサッ、ドサッ……

また音がした。
どこだ?どこからだ?
音は近い。

「うわぁぁぁぁぁ」

兵士の1人が叫び声をあげた。
兵士たちが声の方を向くと、そこには熊だろうか、魔物の首だけが転がっていた。

ドサッ……

再び音が響く。今度は違う方向だ。

「う、上だ!上にいるぞ!」

全員が咄嗟に空を見上げる。
なっ……そして同時に息を呑む。

兵士たちは見た。

「おお、なんということだ……」
「これは……魔物なのか……」

口々に声が漏れる。

彼らが見たのは、巨大な体躯をもつ魔物。
魔物を食べる魔物であった。
食べ終えた魔物なのか、口からはみ出した魔物たちの肉片が地面に落ちていたのだ。

大雨で視界も悪く、上空の敵を見落としていたらしい。だが、その魔物の姿を見た兵士たちは全員が死を覚悟した。

頭部には長く伸びた三本の角。
身体は大きく、背中にはコウモリのような大きな翼が生えている。

こんな魔物は見たことがない。
こいつはいったいなんだ……。

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