another story C3
「はい、どちら様でしょう?」
メッセージの魔法は成功したようだ。
「クリスエスだ。少し頼みたいことがあってな。」
「珍しいね。クリスエスさんが頼みごとなんて。」
メッセージ越しにおどけたような声が帰ってくる。
「トカゲアザラゴンの噂は聞いているか?」
「ええ、聞いてますよ。魔物ハンターの間ではもう討伐に向かう奴らも出てきています。」
魔物ハンター。レミルメリカに出現する魔物を討伐する職業だ。
「それなら話が早い。どうだ、討伐できそつか?」
クリスエスは魔物ハンターにトカゲアザラゴンを討伐させることにしたのだ。
「どうかなぁ〜?随分と強いみたいだしねえ。」
強いとは言いながらもその声には自信が溢れているように聞こえる。
「ふん。相変わらずだな、"めた"。チームの編成も任せる。報酬も言い値で払ってやる。」
「随分と気前がいいね。」
メッセージに他の声が割り込んできた。
「お前が"きいち"か。」
こちらは女性の声だ。めたのパートナーとして名を馳せている女だと聞いている。