外伝:出会い2
ドンドンドンドン!
ドンドンドンドン!
ドンドンドンドン!
「〜〜〜〜!」
ドアを叩く音が聞こえる?
誰かが何かを叫んでいる?
ううん、私は眠るの。
眠ったら朝になるはずだから。
私の記憶はそこで途切れる。
次に目が覚めた時には、私は病院のベッドの上だった。
起きたばっかりの時は何も聞こえなかったけれど、お母様が手を握りながら泣いていた姿だけは見た気がする。
私の家は火事になった。
私はセレスティアの田舎に住む小貴族の娘だった。先祖代々の土地を護り、静かに暮らしていた。
父は貴族として王城へ働きに行くこともあったが、それほど広くない領地を上手に治めていたと思う。
そんな小貴族の家にある日強盗が押し入った。父が偶然家にいたことで、強盗は撃退することができたが、強盗は自分たちが逃げるために、私たちの家に炎の魔法をかけていった。
強力な炎の魔法が、私の家に燃え広がるまで、そう長い時間はかからなかった。
私を助けてくれたのは、偶然近くを通りかかった王国の兵士だった。