アナザーストーリー:団長の憂鬱5
「だから、別にそんなんじゃねえって。真面目すぎて頭の中がお花畑になってるぜ。何でもいいからとりあえず、今度小金井ささらを連れてこい。いいな。」
そう言うと、kentaxはクルリと背を向けて歩き出した。
「誰が頭の中、お花畑ですか!今度言ったら雷に撃たれますから!」
あいつが言うと本当に雷が落ちそうだ。
雷使いの魔法師団団長は伊達ではない。
しかし、何度会議の内容を思い出しても嫌な気持ちが抜けない。
雨乞いの儀の話も聞いたが、そもそも良いのか悪いのかすらよくわからん。
四天王の話は特に危ない気がしている。
敵の情報がない戦争など勝ち目はない。
たった4人で世界を滅ぼすなんてことは俄かには信じられないが……。
「はぁ、めんどうなことにならなきゃいいがな。」
騎士団の団長の仕事がこれ以上増えないことを祈りつつ。
kentaxは、剣闘師団が待つ練武場へと向かって行った。団長の鬱々とした感情は、この後、部下に向けられることになるのだが、それはまた別の話である。