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アナザーストーリー:吟遊詩人2 

なぜだ。

ある日を境に、いくら書いても、いくら歌っても、納得するものができている気がしなくなった。

なぜだ。
なぜだ。

こんなことはこれまで一度も無かった。
私に……私にできないはずはない。

なぜだ。
なぜだ。

書いては消し、書いては消し。
弾いては辞め、弾いては辞め。

いつの間にか7日7晩が経っていた。
そして、疲弊した私の前に"彼ら"が現れた。

8日目の朝、私は再び机に向かった。
昨日は疲弊して床で眠ってしまったらしい。
6日目には気分転換に散歩もしたが、何も変わらない。

スランプという言葉が頭をよぎる。
いや、そんなことあるはずがない。
プライドがそれを認めなかった。

「スープでも飲もう……。」

食欲もあまりなかった。
私はキッチンに行きスープを火にかける。

バサバサッ

どこからか羽根の音が聞こえた気がした。

バサバサッバサッ

気のせいじゃない!

部屋の中にいる!?
私は周りを見渡した。
どこだ。どこにいる。

「そんな怖い顔してちゃダメですよ。」

後ろ!?
急に背後から声がした。

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