アナザーストーリー:吟遊詩人6
「ん?断ってくれても構わんよ。別に殺しに来たわけじゃない。」
顧問Pに心を読まれたのだろうか。
「ただ、こるんさん、最近、曲が書けなくて困っていませんでしたか?」
顧問Pが黒い笑みを浮かべる。
たしかに、いくら書いても納得するものができなかった。
いつから私を監視していたんだ。
「それ、顧問Pのスキルの影響よ?」
闇姫Pの言葉が聞こえた。
「スキ……ル?」
私が曲を書けないのはこいつらのせいだって言うの?まさか、そんな。
「闇姫P、それ以上はダメだ。こるんさん、これが私のスキルなのですよ。あなたが曲を書けないのも、あなたの気分が何をしても晴れないのも……ね。もし、あなたが歌を創るのを遅らせてくれるのなら、私はあなたのお邪魔を致しません。」
こんなの取引ですらない。
「もし断ったら?」
殺されるかもしれない。
「少なくともその程度で私はあなたを殺したりはしませんよ。他の3人は知りませんが。ただし、あなたはこれから先、誰かに殺されるか自ら命を絶つまで、二度と納得する曲を完成させることはできません。」