アナザーストーリー:雨乞いを待つ天使3
ミコエルは信者の力がある限り、その力を失うことはなく、死ぬこともない。それは疑いようのない事実だ。
でも、モケケはミコエルが毎回復活することに何のリスクもないとは考えていなかった。ミコエル自身は何も語らないが、モケケは何かあると思っていた。
かつての戦争の中、ミコエルは何度も命を落とし、復活してきた。
信者を庇い、味方を庇い、時には敵になる者すら守り抜いた。
モケケも戦いに参加していた。
ただし、敵として。
そう、モケケはかつてミコエルを殺そうとした者の1人である。ミコエルに戦いを挑み、敗れ、そして、赦された。
「私と一緒においでよ。」
敗れたモケケにミコエルは手を差し伸べた。その時から、モケケはミコエルのボディガードを勤めている。
自分より弱い者がボディガードを勤めることに何も言わず、まるで仲の良い友達のように笑ってくれる。これほど嬉しいことはない。
モケケはミコエルの魔力が"傘"に移されていくのを見ながら、雨乞いの儀の成功を祈っていた。