外伝:居室の一幕3
ぐへへPがポテトと呼んだ箱に入ったものを手渡してくれたので、口に入れてみた。
サクッとした食感の後にジュワッと油が広がる。噛むとすぐにほどけるようになくなってしまうので、何本でも食べられそうだ。
「早いもの勝ちです。そもそも、食事というものはまさに闘いのようなもの。美味しいものは、先に食べた者が勝つのです。」
そう言いながらポテトを口に放り込む。
「ちゃんと分けて一緒に食べようよ、いいけどさ。元々、君のために買ってきたんだし。」
ぐへへPは笑いながら買ってきたものを机の上に並べている。ハンバーガーとポテト以外にも飲み物がついているらしい。鳥の肉を揚げたものもあると教えてくれた。
「ヲキチ、最近ずっと城にいたから、たまにはお城の外の物も食べてみたいんじゃないかと思って。お城の料理ばっかりじゃ飽きるだろ?この間も、勝手に厨房を使って料理してたって聞いたし。」
バレてる。これだけ長くお城にいると、同じメニューが出てくることも多い。それに、もともと田舎の方に暮らしていたこともあって、堅苦しい料理ばかりを食べることに慣れていない。
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