外伝:居室の一幕4
だから、昔食べていた料理を再現してみたくなって厨房に立ったのだ。それに……ぐへへPに私の故郷の味をってちがう。そんなこと考えてる場合じゃない。
「あっ、あれはちがうの。」
とりあえず否定してみるが、脈絡もない。
「ん?」
しかも机のセッティングを勝手に進めているぐへへPの耳には届いていなかったようだ。
「なんでもないです〜っ。」
よかった。聞かれてなかった。
「じゃあ、ほら、二人で食べよう違う種類のものを買ってきたんだ。」
いつもとは違う。広い食卓で食べる専属の料理人が作るような高級な料理ではない。
それなのに、この美味しさは何だろう。
ぐへへPが街で見た、たわいも無い話を聞きながら、2人の午後の時間は進んでいった。