アナザーストーリー:招かれざる客3
「ここがセレスティアの図書館か。随分と楽な仕事だぜ、まったく。」
男は情報を集める依頼を受けていた。
それは"例の4人"に関する情報である。
名前、顔、スキル、容姿……あらゆる情報が秘匿されている彼らが、かつて世界に現れた記録があると言う。
それはレミルメリカ全土を巻き込んだ戦争の少し前のこと。クロスフェードの市街地の外れに住むもはやろくに話すこともできなかった老人が、死に際に「あの4人を世に出してはならん、戦争が起こる。」と言い残したそうだ。最初は何のことかは検討も付かなかったが、どうやら図書館にはこれまでのレミルメリカの歴史を記した本があるらしい。
それを見れば、全てが分かるはずだった。
しかし、事はそう上手く運ばなかった。
昼に図書館を訪れた時、司書に閲覧を断られたのだ。地下三階に収められている書物は許可なき者は何人たりとも閲覧を許されない、と。それならば実力行使を取るほかない。この男の能力ならば潜入には苦労しない。
男は"身体を液体に変化させ"音もなくドアの隙間から図書館へと入り込んだ。