アナザーストーリー:招かれざる客24
「逃げちまったけど、良かったのかい、捕まえなくて。」
ラングドシャPはまだ暴れ足りないといった様子だ。
「切身魚さんを助けることが目的じゃけぇ、今回はここまでにしときましょうや。次の時に捕まえりゃぁええ。」
ラムドPの回復魔法が終わり、切身魚は身体を支えられながら立ち上がった。
「皆さん、ありがとうございました。私の力が足りないばかりに多大なご迷惑を。」
切身魚は頭を下げる。
「切身魚さんに大事がなくて何よりです。それにこちらこそ、最後まで隠れていて申し訳ありませんね、あまり人前に出るのは慣れていないものですから。」
喜兵衛さんも頭を下げる。
「いえ、おかげで助かりました。でも、ラムドPさんが猫に気がついてくれていなかったらどうなっていたことか。」
あのまま、夕立Pの炎を受けていたら確実にこの世にはいなかっただろう。
「困った時はお互い様じゃけぇ気にせんでええ。まあ、今度、美味しいもんでも食べさしてつかぁさい。」
ラムドPは笑いながら斧を担ぎ直す。彼なりの照れ隠しなのかもしれない。