「受験したいなら、明日にでも一緒に学園まで行きましょう。案内しますよ。」
願っても無い申し出だ。最初から先輩がいるのは心強いな。
学園についての話が一区切りしたところで、ごーぶすさんから声がかけられた。
「お前ら、準備できたぜ。」
俺たちは、ごーぶすさんに小屋の裏手まで案内された。そこには、わりと大きな魔方陣が描かれている。見たことのない文字だが、以前、どこかで見たルーン文字なんかに似ている気がする。
「転移ってのは、それなり魔力を使うからな。こういう魔方陣を書いて、魔力の消費を抑えるのさ。」
不思議そうに魔方陣を見ていた俺にごーぶすさんが説明してくれた。どうやら転移をするためには行き先の設定が必要らしく、転移先にも同じ魔方陣が必要だそうだ。どこにでも勝手に転移できるとなると悪事に使われてしまいかねないからこその対策だろう。
「もう一通り、行き先まで設定してあるから、あとはこいつに魔力を流……。」
パァン!パァン!パァン!
突然響いた音に俺は耳を疑った。この音には聞き覚えがある。映画なんかでよく聞いた音。
銃声だ。