拝借?転移の魔方陣を何に使うつもりなのかは知らないが、これはセレスティア王国の首都クロスフェードにつながっている。いきなりこちらを撃ってくるような奴らなんかに使わせたら悪用される未来しか見えない。
「あなたのような方にその魔方陣をお貸しするわけにはいきませんな。」
はなぽさんも同意見のようだ。
「あらあら、怖い顔しちゃって。交渉決裂、どうする?えいさん。」
えい?銃を撃ってきた仲間のことか。
ん?マップの赤い丸が移動してる?
「はなぽさん、タダトモさん、さっき銃を撃った奴が移動してます。まっすぐこっちに向かって来てる。」
もう一人がこちらに向かっていても、この春沢翔兎から目を離すわけにはいかない。
「ドイルさん、距離はどのくらいですか?」
タダトモさんが壁の向こう側を見ながら尋ねてくる。赤い丸の移動はかなり早い。
「あと数百メートルもない。しかもまっすぐこっちに向かってるぞ。」
こんな速度で移動できる敵なら……
「タダトモさん、そろそろ目の前に見えるはずです!」