アナザーストーリー:異世界七夕日和3
「ヲキチ、出立の準備はできたかい?」
ぐへへPはどうやら七夕などには関係なく、どこかへ出発しようとしているらしい。
「もう少し待って。えっと、これがお父様へのお土産、こっちが七十の……。」
ヲキチの目の前には、箱や袋がたくさん置かれている。
「今回の目的はお土産じゃなくて、僕らの結婚の挨拶に行くことなんだけどなぁ。」
ヲキチはすでに王妃のように周囲から扱われているものの、未だ婚約に留まっていた。しかし、ついにぐへへPが、正式にヲキチの両親に挨拶を行うことになったのだ。
そうなると、結婚という二文字が次第に現実味を帯びてくるはずなのだが、ヲキチはそこまで重く受け止めていなかった。
「今からそんなに緊張してたら、お父様とお会いする前に倒れてしまいますよ。」
ヲキチはぐへへPがいつもより緊張しているのを見抜いていた。一国の王なのだから堂々としていればいいのに、でも、そういう真面目なところも魅力だななどと、惚気たことを考えていた。
ぐへへPの出立に合わせて内政官たちは数日間の王が不在の間の準備に追われていた。
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