アナザーストーリー:審問者4
クリスエスは腰に刺している剣を構え直す。
「魔物の数、およそ30。位置はここから50メートルほど離れた森の中です。先ほど、夜の見回りをしていた兵士3名が襲われ、2名がやられました。」
夜間の襲撃だ。被害は少ない方だろう。
「よかろう。魔法師団が到着次第、光の魔法で明かりを灯せ。剣闘師団にはメッセージで連絡。私が出る、門を開け。」
そこまでの数で集まっているということは、魔物は狼の類だろう。クリスエスは、単騎で門の前に立つと剣を抜いた。
門が開くとそこは草原。すぐ先に鬱蒼としげる森が見えている。
補助魔法"ブースト""アクセル"
身体速度と移動速度を上げる魔法だ。これでかなりの速さで動くことができる。
「俺が出たらすぐに門を閉じておけ。」
そう言うと、クリスエスは即座に夜の森に消えていった。
そこから少し離れた森の奥では、剣闘師団が狼の魔物に囲まれていた。kentaxと主要な戦力を欠いているが、善戦している。魔法師団がいれば十分に片付けられるだろう。
「よく戦っているな、剣闘師団。少しお手伝いするとしよう。」
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