「そんな、じゃあ、どうしたら。う〜ん、何か、何か使えそうなものは。」
タダトモにはどうすることもできないが、持ち歩いていた荷物の袋を漁ってみる。
「あっ……。」
タダトモが取り出したのは、はなぽがクラフトで作成したカップの破片だった。先ほどの襲撃の時の衝撃で壊れてしまったらしい。
"ミライノート"は当たっていた。理由までは分からなかったが、あの時、割れたカップを見たのだから何かあるのではと警戒しておくべきだったのだ。タダトモは自分の油断を少なからず後悔した。
ドイルは"成レ果テ"を止める方法を考えていた。毒の沼。触れてしまうと、ととさんのように激痛に襲われることになる。
風の魔法で吹き飛ばすか?いや、拡散するだけで意味がない。
火の魔法で消し飛ばすか?可燃性かどうかのリスクがあるのと、他の草原まで燃やしてしまう。
氷の魔法は、うん、大きな氷を作る魔法くらいしか知らないな。
闇と光の魔法もあまり使えそうにない。
せめて、どこかにまとめて閉じ込めることができたら……。
「そうか!」
アレを使うしかない。
俺はミコエルの契約書を発動した。
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