アナザーストーリー:呪詛師の力4
春沢翔兎を置いたまま闘うことはできない。そらうみれいは、ウォーターベールを解除した。
「なんだ、エイの海獣族か?珍しいな。」
団長と呼ばれた男は即座に言い当てた。
「団長、捉えますか?」
ワンマイと呼ばれていた男が尋ねる。
「いや、よく見ろ、兎の獣人がいる。あいつを助けるために知らない奴らから隠れてただけだろう。必要ない。」
どうやらこの団長、かなりの見識眼の持ち主だ。
「さて、俺はkentax。セレスティア王国剣闘師団団長だ。それで、お前さんは?」
kentax。その名前は聞いたことがある。若くして剣闘師団の団長になったと噂されていた男だ。
「マキエイ。こっちは、トト。」
とりあえずの偽名を名乗る。
「one my self です。皆、ワンマイと呼びますので、そちらでどうぞ。」
kentaxに次いでワンマイも名乗ってきた。
「それで、そっちのトトってやつはどうしたんだ?」
kentaxが事情を尋ねる。
「毒、やられた。」