アナザーストーリー:呪詛師の力8
そらうみれいは心配そうに春沢翔兎の方を見ながらも、自分にできることをやるしかないとkentaxについていった。
そらうみれいはスキルで水を生み出し、剣闘師団に配っていく。"空ノ水"がこれほど役に立つとは、そらうみれい自身も思っていなかった。
徳皆無、金星伊津可は呪詛師である。いわゆる二重人格であるが、これは徳皆無のスキル"ひとりごと"の力だ。初めてスキルが発現した時から、徳皆無は自分の中にもう1人の自分がいることを感じてきた。そして、その人格を自分はいつでも自由に入れ替えることができることも知っていた。徳皆無は呪詛師としての力を持っているが、金星伊津可は2つの人格の内でも"回復"や"治療"に特化した魔法を使いこなす。逆に、徳皆無は"攻撃"に特化しており、彼を知る者たちは、徳皆無のことを「人折り」と呼び恐れている。
金星伊津可は、春沢翔兎に近づき、手をかざす。まるで何かを読み取っているようだ。次に、毒が付着した脚に手をかざす。
「2種類の毒。これはまた面白い解毒をしている。」