アナザーストーリー:小さな火種1
原初の国・アビサルは北側に灼熱に燃える山を有し、南側には熱帯雨林と長い川を有する未開拓の大地が多く残る。
レミルメリカではかなり北に位置している国のはずだが、常にマグマが噴き出すような灼熱に燃える山々がある場所があることで、年間の気温はかなり高い。
そのため、国の南側には熱帯雨林が広がっており、レミルメリカで最も長い川もこの国の中に流れている。セレスティアを自然の国とするなら、アビサルは自然が完成される前の原初の場所。それゆえに原初の国。
アビサルはその過酷さゆえに人間はほとんど住んでいない。代わりに、過酷な環境に自らを適応させた"獣"たちが集っていた。
かつてドイルたちを襲った春沢翔兎は、兎の獣人族で、この地で生まれ育った。多くの者は成長すると、独り立ちのためにアビサルを離れ、世界各地へと散らばる。獣の力を宿す者たちは力も相応に強く、巨大な斧を自在に振り回す羊の獣人・ラムドP、"マケッツ"のひとりとして伝説に刻まれる喜兵衛もこの地の出身だと言われている。