アナザーストーリー:小さな火種6
「それじゃあ、さっきと同じだよ。」
京橋ひよわは、素早くミストファイナーの死角に移動すると地面を蹴った。再び蹴りを入れようとした瞬間、ミストファイナーはハンマーを地面に突き立てる。
「同じ手はっ……くいません。」
ハンマーの上部を地面に打ち付け、その反動で空中へ跳ぶ。京橋ひよわの蹴りは空を切った。ミストファイナーは、そのまま、空中に上がった反動を使ってTAKUMIに向かって蹴りを放とうとする。
「飛び上がるのは良いけどな、空中じゃ無防備だろ?"スピアニードル"。」
TAKUMIの魔法に合わせて、地面が盛り上がり、複数の巨大な針が現れた。まるで槍の穂先のように問答無用でミストファイナーに向かってくる。
「まだまだぁ!」
ミストファイナーは空中で体を捻り、自分に向かってくる土の針を足で蹴った。次々と地面から現れる針をミストファイナーは蹴りながらTAKUMIに向かっていく。
「いいじゃないか。熊の獣人にして、その身軽さは利点だな。」
TAKUMIはミストファイナーを待ち構える。
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