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アナザーストーリー:小さな火種11 

「強くなることに焦るのはよくない……って言っても聞かねえだろうな。」

さこつはため息混じりに小さな声で言った。その言葉が聞こえたか聞こえなかったのか、ミストファイナーは懐からジャラジャラと音のする小袋を出すと、さこつに手渡し、くるりと背を向けて歩き出した。

「若さと言えば聞こえはいいが……一応、師範にも話しておくか。さこつさんも、一緒にどう?」

京橋ひよわは、心配そうにミストファイナーの背中を見つめていた。

「そういえば、ラムドP、セレスティアに行くって言ってなかったっけか。」

さこつは、ミストファイナーが立ち去ったのを見計らって京橋ひよわに聞いた。

「定期連絡のために冒険者組合に行く話は聞いたけど、たしか、まだ発ってないはず。」

アビサルは原初の国と呼ばれるだけあって、他の国との交流が多くない。ラムドPはその状況を変えるため、自ら動いていると言っていた。

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