アナザーストーリー:一抹の邂逅3
「雪でできているのが不思議かい?俺は妖精族の中でもスノーマン種でね。」
妖精族スノーマン種……プロムナードの北側にいると聞いたことがある。
「あと、何者だってのはないだろ、そっちが俺を先に監視してたんじゃないか。」
まさか、見られていることに気づいたのか?こいつも気配を察知できるのかもしれない。警戒を解くことなく、よだかは答える。
「セレスティア王国剣闘師団、よだか。」
名乗らないのは騎士道に反する。
「俺はZutq。ラングドシャPの称号を頂いている、しがない雪だるまだよ。」
ラングドシャP。称号持ちか。それなら……
「勝手に監視したことについては謝罪します。こちらに争う意志はありません。事情を話させて下さい。」
よだかは、剣の先を下に向けた。
「いいぜ。剣闘師団とやり合うつもりはないしな。」
ラングドシャPは両手をあげた。
よだかも、それに合わせて剣を収める。
戦ったら恐らく負けていた。よだかは気配を察知していたが、このラングドシャPは、自らの気配を偽っていた。