アナザーストーリー:一抹の邂逅4
恐らくこちらの存在に気づいて即座に対策をしたのだろうが、それほどの相手ということだ。
「それで剣闘師団様がなんでこんな辺鄙なところにいるんだい?」
ラングドシャPをどこまで信頼してよいのかは分からない。
「私たち剣闘師団はこの先の屋敷に任務のため向かうことになっています。私はその先遣隊です。」
よだかは、相手に詳しい内容が分からないように要点を伝えた。
「あ〜なんだ、ヲキチさんとこに行くのか。っと、いけねえ、王妃様だっけか。俺は王妃様のお屋敷に依頼された物を届けに行った帰りだよ。これでも、冒険者の端くれでね。」
王妃をヲキチと呼ぶだけでなく、王族に類する者からの依頼を受ける冒険者だと?
「それは失礼しました。王妃様のお知り合いとは思わず。ラングドシャP様とお呼びすれば?」
よだかは、まだ警戒を緩めたわけではない。
「ズクさんでいいよ、俺もよだかさんと呼ばせてもらうからさ。」
軽いノリがむしろ不信感を煽る。