アナザーストーリー:国境線の獣3
この時間ならすでに入口のところまで、迎えが来ているはずだ。
ぱるふは、列に並ぼうと歩き出した。
うわああああああああああ
突然の叫び声と共に、爆発音のような音がぱるふの耳に響く。
「なんだ?」
どうやら、出口の向こう側、アビサル側の方から聴こえてきたらしい。
ドオォォォォオオオオオオン
再び大きな音が聞こえた。何か硬いもので打ち付けたような音だ。
「何かあったんですか?」
ぱるふは、並んでいる列を先に行って、荷物の検査をしている担当者らしき獣人に声をかけた。
「いや、何も分からない。しかし、今の状況では……。」
再び音が聞こえ、最後に何を言われているのか聞こえなかった。これだけの音だ。爆弾でも爆発したのかもしれない。
ぱるふは、出口の向こう側にいるであろう知り合いのことを心配していた。
「ここ、通してもらえませんか?」
ぱるふはダメ元で聞いてみる。
答えは当然ダメだ。安全と状況が確認できない以上、通すことはできないとのことだ。