アナザーストーリー:暴力と蹂躙5
「単なるお節介焼きの兎です。さあ、今の内に。」
ぱるふは、言われるがままに走り出した。
「ありがとうございます。すぐに応援を呼んできます。」
名前も分からないが、この兎の獣人に任せるしかない。今の自分にできることは助けを呼ぶことだ。
「ええ、よろしくお願いします。」
兎の獣人は走り去るぱるふの背中を見ることなく言った。
「その頃には終わっていると思いますが。」
その言葉はとても小さく、ぱるふの耳には届かない。
ぱるふが走り去るのを見ることもなく、兎の獣人は空中から落ちた熊の獣人が起き上がってくるのを観察していた。
グウウウウウウウウ
熊の獣人は声にならない声を上げている。
ダメージがあるのかないのかも分からない。
赤黒いオーラだけは未だに消えずに身体とハンマーを包んでいる。
「魔力が暴走しましたか?見たところまだお若いようですし、力にばかり頼るのはよくありませんよ。」