アナザーストーリー:大天使の降臨2
音楽隊の演奏とこるんの声だけが響く。
「世界が干上がる」
民衆たちはこるんの歌に圧倒される。
歌が始まった途端、祭壇の火がより一層燃え上がり始めた。
「バスの外は灰色」
歌とともに神官たちの身体が光り始めた。
神官たちが何かの魔法を発動している。
「草木は立ち枯れ」
次に少し遅れて民衆たちの身体も光を放ち始めた。それと同時に、皆が膝を折り、胸の前で手を組む祈りを捧げるポーズへと変わっていく。
「小川は水を求める」
民衆たちの祈りの姿は、祭壇に近いところから徐々に後ろへと広がっていく。
火がより一層高く燃え上がり、その炎は天へと届くのではないかという勢いだ。
「雨よ降れ この地に」
こるんの額、腕、あらゆるところには汗が滲み、魔力が強くなっていく。
全てを歌に捧げている。
クリスエスはその様子をじっと見つめていた。クリスエスやまきエル、桐エルの身体は光っていない。魔力を使っていないのだろう。