アナザーストーリー:大天使の降臨3
「恵みをもたらせ」
雨乞いの歌が終わりに近づくと、晴れ渡っている空から、それを超える一筋の光が、祭壇に向かって照らされた。その光は祭壇の頂上に当たる。こるんは、光に呑まれた。
「燃える山を頼りに」
それでも歌は止まない。そればかりが、光に照らされたことで、こるんはさらなる魔力を放出している。神官や民衆たちの光も強さを増した。
もはや、この地一帯が光に包まれている。
「天へと祈りを届けるのだ」
神官たちも一斉に膝をついた。
天から降り注ぐ光がさらに強くなる。
そして、こるんは気がついていた。
光の向こうに1つの影が見えていることを。
突然、まきエルと桐エル、そして、クリスエスが膝をついた。そして、右手の手のひらを左胸にあて、頭を下げる。最上級の敬意を示していると、誰もがわかるだろう。
こるんの声と魔力が一際大きく響き渡る。
「天へと祈りを届けるのだ」
歌が終わる。