アナザーストーリー:天を穿つ光柱3
そんな中、ミコエルは皆に告げた。
「"アトラスの軌跡"は発動しました。これより三日三晩、砂漠地帯には決して止むことのない雨がもたらされるでしょう。」
その声は先ほどよりも疲労しているようにも聞こえるが、それでも大天使は笑顔を絶やさなかった。
「ミコエル様、ありがとうございました。」
まきエルがミコエルにむけて頭を下げる。
「まきエル、あなたこそ祭壇の建設お疲れ様でした。私は天界に戻ります。」
ミコエルは魔力を使い切っているため、回復までは時間がかかる。
「ミコエル様、何者かに狙われては一大事になります。お早くお戻りください。」
どこに潜んでいたのか、ミコエルの横に突然現れたのはカニの姿を模した存在だった。
「モケケちゃん、私は大丈夫だよ。」
ミコエルのボディガードを務めるモケケだ。
「必要とあらば、私の力もお使いください。ミコエル様に仇なす不届き者は、我が"異端審問"にて必ずや排除致します。」
クリスエスがミコエルに頭を下げる。