「ふむ。詳しいことは聞いてみないと分かりませんが、トカゲアザラゴンの一件かもしれませんな。」
はなぽさんの口から聞いたことのある名前が出てきた。
「トカゲアザラゴンですか?」
俺はつい口に出してしまった。ボカロ丼にいたバーチャルボカロPじゃないか。
「ええ、突然、レミルメリカに現れた魔物です。強者と戦うことを求めているらしく、最近は魔物ハンターたちが躍起になって探していますよ。」
タダトモさんの真剣な口調からして、何か大きな事件でもあったのだろうか。
「どこにいるか分かってないんですか?」
俺が知っているトカゲアザラゴンさんは、手書きの楕円に角が3本生えた可愛らしい絵だけだ。オフ会によくいるって話は見たような気がする。
「ええ、天空の頂という場所にいるということですが、まだ場所も分かっていないようですね。」
天空の頂、なんかどこかの勇者大活躍のRPGに出てきそうな名前だ。
「トカゲアザラゴン、強いんですかね?」
名前を言うたびにボカロ丼のアイコンが頭をよぎるため、どうにも強そうには思えないのだが。