「はなぽさん、この先にサーチに引っかかってる人がいます。」
すでに戦闘の煙は見えないということは、剣闘師団は敵を倒したのだろう。そして、少し先に固まっている剣闘師団から1人がこちらに来ている。
こちらに気づいていると見て間違いない。
「隊長から連絡が言っていれば、お迎えのはずですが。」
はなぽさんは、マキエイと春沢翔兎との戦いを思い出しているのだろう。
「いきなり仕掛けてくるようなことはないですよ、たぶん。」
タダトモさんも少し心配そうだ。
「もうすぐですよ。kentaxという方ならいいんですけどね。」
木々の間を抜けると直線の道に出る。
道の先に立っているのは2人。どうやら剣闘師団ではない人もいるらしい。
1人は剣を腰にさしている若者。
もう1人は人形を抱き抱えているように見える。
髪が長いからおそらく女性だろう。
「2人いますね。」
タダトモさんも視認したようだ。
「あの人は、人形使い。魔法師団に所属する小金井ささらさんですよ。」
どうやらはなぽさんの知り合いのようだ。
「もうお一方は、存じ上げませんが。」
#ボカロ丼異世界ファンタジー