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アナザーストーリー:潜みし者1 

そらうみれいが横穴に戻ると、春沢翔兎が起き上がっていた。

「エイさん、戻ったのか。」

魔法を解除するとそらうみれいの姿が露わになる。

「ととさん……寝てなきゃ。」

よく見るとそらうみれいは、手に数匹の魚を捕まえていた。

「多少は動けるようになったから、大丈夫だよ。それ食べよ。」

春沢翔兎は、そらうみれいの持っている魚を指差した。兎の獣人族だが、別に魚を食べられないわけではない。むしろ、野菜よりは肉を食べることのほうが多いかもしれない。

「……無理しないで……焼くから。」

そらうみれいは魚を調理しようと考えているようだ。それを聞いた春沢翔兎の表情が変わる。

「待つんだエイさん。調理は俺が変わる。」

春沢翔兎の声には必死さが感じられる。

「ととさん、病み上がり。」

そらうみれいは自分がやろうと思っているようだが、なぜか、春沢翔兎の顔は険しい。

「いいかい、エイさん。この間のことを思い出してくれ。前の隠れ家で、料理したときにエイさんは何をした?」

春沢翔兎は問いただす。

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