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アナザーストーリー:潜みし者2 

「むう。」

そらうみれいは、低い声をあげた。

「燃えた。」

そう。そらうみれいは、なぜか以前料理をすると言って、突然天井を焦がしたことがあるのだ。それ以来、春沢翔兎が料理を担当してきた。

「だから、な?魚の調理は任せてくれないか?」

春沢翔兎は説得する。

「仕方ない……譲る。」

少しの間、お互いに目を合わせたあと、そらうみれいは、そっと魚を差し出した。

「ふぅ……。」

春沢翔兎は安堵した。

「いやぁ、心温まる友情ですねぇ。」

パチパチと手を叩く音が穴の中に響く。

そらうみれいと春沢翔兎は、声を聞いた瞬間、飛びのいて2人で背を合わせて死角を無くした。

これほど近くに声が聞こえるまで、誰かの接近を許すとは、春沢翔兎の耳は、獣人族だけあって人間などよりもはるかに細かい音を拾う。そらうみれいは、海獣族。いくら油断していても水の流れには敏感なはずだ。

それをここにいる何者かはくぐり抜けた。
それだけで十分脅威となる。

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