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アナザーストーリー:空欄1 

「今年の入学試験の問題は、これでいきましょう。先生方、お疲れ様でした。」

議長の挨拶で、各自がバラバラと席を立ち、部屋を出始めた。

『インベントリ』

配布された大量の資料をまとめて魔法で収納する。こうしておけば、誰かに見られる心配もない。入試問題の漏洩という最悪の失態は避けねばならない。

「先生。」

会議室を出るところで、後ろから声をかけられた。部屋に戻って溜まっている仕事を片付けたいのだが、無下にするわけにもいかない。人間関係は大切なのだ。

「どうされたんですか、ノヒトさん。というか、お互いに先生になるのですから、名前で構いませんよ。」

nohit record 略してノヒト。細身の体躯をした人族の男性である。

ここは、クロスフェードにある学園の会議室だった。近日行われる予定の入学試験の問題の最終確認と受験する学生の確認を行うための会議が終わったところである。学園の全教員が集まるこの会議には60名近い者たちが集まっていた。

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