毎回、称号を頂いている話は出てくるのだから、おそらくこの自己紹介がデフォルトなのだろう。ボカロPとは言わないんだな、なんて心の中で思っていたら向こうから声がかかった。
「私は泡麦ひえ。魔法師団の団長をしています。クリスエ……いえ、内政官の勅命を受けて、お迎えにあがりました。」
内政官。さっきクリスエスと言っていた。
ボカロ丼では"火刑ミコエル"で知られている獣のようなアイコンの人だったはずだ。社蓄って言ってた記憶があるから、もしボカロ丼が反映されているなら、レミルメリカでも忙しくしているに違いない。
「内政官の勅命ってのは、随分と物々しいな。なんかあったのか?」
kentax団長の声は少しトーンが下がっている。真面目な話なのかもしれない。
「我々団長以下、情報官、外交官、内政官が召集されました。」
泡麦ひえの言葉に団員たちの雰囲気も少し変わった。
「そいつはなかなかでかい話だ。これは早く帰らねえと怒られちまうな。」