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「そうですね、初めてです。ということはあの壁が。」

俺は周りの観察に余念がない。

「そうです。あれがクロスフェードを守る城壁。」

泡麦ひえ団長だ。横から見ると猫耳のヘッドホンが可愛らしい。

「これから俺とひえさんは、ちっとばかし忙しくなりそうだから、お前ら3人の相手はできねえけど、剣闘師団の詰所ならいつでも遊びに来て構わねえからな。」

剣闘師団に遊びに行くやつなんているのか?

「ダメですよ、kentax団長は若手の団員で憂さ晴らしをしてるって有名ですから。会議の後なんかに行ったらサンドバッグになります。」

泡麦ひえ団長から横槍が突きつけられた。

「憂さ晴らしじゃねぇ、訓練だ。」

サンドバッグは否定しないのか。剣闘師団に遊びに行くのはやめておいたほうがいいかもしれないな。

「団長殿、パワハラはいけませんぞ。」

はなぽさんからの半分ふざけたようなツッコミが入る。団長同士の掛け合いはまだ少し続いているようだが、俺たちはクロスフェードの街に向かって歩き出した。

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