この様子を見ると誰も大天使ミコエルに会ったりしていないのだろう。
街についたらタダトモさんに学園まで案内でもしてもらうか?でも、その前に住む家も着替えもないしな。
学園への入学、魔族との契約、衣食住の確保、幸いTOMOKI++さんの配慮で、お金には当面困らない。
軽く挙げてみただけで、しばらくやることは山積みだ。
そして……少し歩くと城門の前にたどり着いた。
門の前には兵士らしき者たちが立っていたが、剣闘師団と魔法師団の団長たちが揃っていては、頭を下げて通行を許可せざるをえなかったようだ。逆に、兵士の一人は泡麦ひえ団長にサインを求めていた。
俺たちはすんなりと壁の内側に入ることができた。壁の中には、とてつもなく広い街が広がっていた。
多くの人が行き交い、一見しただけでも多様な種族が目に入る。目線の先にはわりと距離はありそうだが、大きな城が建っている。
「あれが王城"ノルド"。王の住まう場所。」
小金井ささらさんが、城のほうを見ている俺に教えてくれた。