「学園に入れば寮もありますけど、わりと家を借りてる人も多いですからね。」
タダトモさんも寮には入っていないらしい。
「学園に通うつもりなんだろ?隊長を止めれるくらいの実力があるなら試験なんて楽勝だろうし、家借りたほうが早いんじゃねえか?」
受かる前提なら借りてもいいかもしれないが、試験がよく分かってないからな。
「そうですね。私も家を借りても良いと思います。」
泡麦ひえ団長からも勧められてしまった。
不動産屋にでも行けばいいのか?
「しかし、家を借りるにしても、寮に入るにしても、まずは市民証がいりますな。」
滞在許可証とかあるの?
えっ、さっきの受験票に入ってる?
はなぽさんの言葉を確認するため、俺はアイテムボックスを開く。ミコエルからもらった封筒は、ちゃんと収納されていた。
ご丁寧に「受験票」と表示されている。
俺は封筒を取り出した。
「おや、それは……。」
はなぽさんの反応をよそに俺は封筒を開けて中を見た。入っているのは、受験票と説明の書かれた紙が一枚だった。
市民証は入ってない。
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