アナザーストーリー:蜜柑と酒場と珈琲と4
「ドイル……転生者ということですか。神様たちは一体何を考えていらっしゃるのか。やれやれ、少し調べておきますか。」
しおまねきはそういうと、掃除を中断して店の中へと入って行った。
はなぽには、しおまねきの声は届いていない。自宅へはまだ少し距離がある。
途中、食材をいくつか買い込み、夕食の準備を整えた。遠征するためにある程度食材を使い切っていたためだ。
はなぽは、美味しい食べ物に目がない。実は密かに美食の趣味を持っていた。一部の者にはその話も知られているのだが、この話はまた別の機会にするとしよう。
15分程歩くと、クロスフェードの中心街を抜ける。城壁の内側ではあるものの、中心街を抜けると、そこには食物を栽培するための広い敷地や、食用の動物たちを飼うための場所もある。
そのあたりには一軒家が立ち並んでいる。そうは言っても、はなぽの家があるこのあたりは景観維持やら何やらで保護されているらしく、これ以上の家が建てられることはなさそうだ。
#ボカロ丼異世界ファンタジー