依頼を受けた俺とタダトモさんが冒険者・魔物ハンター協会を後にしたのは、すでに深夜になろうという時間だった。クロスフェードの大通りもすでにほとんどの店が閉まっており、明かりもほとんどない。
「いや〜帰り際になってonzeさんには驚かされましたね。」
タダトモさんの言葉に俺も同意する。
「ですね。まさかonzeさんが試験官とは。」
冒険者・魔物ハンター協会を出ようとした時、onzeさんが俺とタダトモさんに教えてくれたことがある。
「私は今年、学園の試験官に任命されたからね。ドイルくん、次は試験会場で会おう。」
学園の試験官は公平を期すためにさまざまな職種から選抜されるらしい。onzeさんもその一人というわけだ。ということは、筆記じゃなく完全にスキルを使った実技試験が主なのだろう。そんなことを考えながら歩いていると、タダトモさんが話題を変えた。
「冒険者さんが目覚めてよかったですね。」