俺も同時に注文を済ませる。メニューも多すぎてよく分からないから、ここは慣れていそうなタダトモさんに合わせるのが良い。
「畏まりました。しばらくお待ちください。」
そう言うと、しおまねきは静かにカウンターの奥へと歩いて行った。
「すいません。あなたたち、最近あった襲撃事件の調査を?」
後ろから声をかけられた。振り向くと、そこに立っていたのは、若い男だった。
「そうです。協会からの依頼を受けています。あなたは?」
タダトモさんが質問する。
「すいません。僕はかずPと言います。」
かずP?もしかして、ボカロ丼では「高校生コンピ」に曲を出していた若者か?
見た目からは明らかに高校生には見えないが、名前は聞いたことがある。
「俺はドイル、こっちはタダトモさん。」
指を指しながら名前だけ伝える。
「あなたは……冒険者ですか?」
かずPの全身を見ながらタダトモさんが聞いた。いや、ボカロ丼では高校生。もし年数が多少違っても大学生だ。ということは……