「実技って言うくらいだから、スキルを使って何かするんでしょうけど、ちょっと不安ですね。」
テスト対策に過去問を必死に解いていた時代のことを思うと、何もしていないのは不安すぎる。
「ドイルさんなら合格確実ですから心配いりませんよ。試験は実技だけですから。」
学力試験がないのはいいが、学力を計らずになぜ実技だけしかないのか。それが不思議でならない。たしかに本を読むだけで理解できる魔法があるなら、勉強のできるできないに価値はなくなるが、魔法だって要するに使い方のはずだ。
「タダトモさんと同じことをみんなからも言われましたよ。」
ほとんどの会った人から合格確実みたいなことを言われているから大丈夫だと思いたいのだが、本番に強かった記憶はないからな。
「僕からは今のところ『大丈夫』としか言えませんので。あ、でも、より合格を確実にするお手伝いをすることならできますよ。」
そう言うとタダトモさんは右手をまっすぐ上に挙げた。
「スキル発動、ミライノート。」
#ボカロ丼異世界ファンタジー