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アナザーストーリー:実験レポート3 

rainyday。それが彼の名だ。

「いな実さんこそ、準備はよろしいので?」

立花いな実。それが彼女の名だ。

「できていますよ。他の皆さんに置いていかれるわけにはいきませんから。」

何やら不穏な動きがあるようだが、お互いに詳細を口にしない。烏が羽根を震わせた。

「顧問Pさんたちは学園のことで忙しいみたいですし、rainydayさんはアビサルですよね?私はちょっと鳥さんに会いに行って来ます。」

その言葉に返事はない。4人はお互いに干渉することなく、目的だけを共有している。そう、暗黒大陸で出会ったあの日から。暗黒大陸への壁をどうやって越えたのか、自分でもよく分かっていない。気がついた時には壁の向こう側にいた。

壁を超え、人から魔族になった私たちは新たな力を得た。一人一人にとって固有のもので変わることのないものだと思われていたスキルが突然変化した。それは、これまでに聞いたことのない程、強大な力。

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